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しっとんか大阪

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お手頃に遊ぶならスナックへ!笑いと人情、そしてほろ酔い大阪で足を運びたい珠玉のスナック6選

2024.03.21

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人生の悲喜こもごもを綴る演歌・歌謡曲には、疲れた人の心を癒す効果があります。「好き」を突き詰めるマニアをゲストに大阪の魅力を深ぼる「OSAKAマニア探訪」。今回は、バンド「赤犬」のメインボーカルで演歌や歌謡曲に明るい、タカ・タカアキさんにおすすめのスナックを案内していただきました。

紳士淑女の社交場として知られるスナック。その歴史は1964年、東京オリンピックでの夜の街の浄化を目的に施行された都道府県条例から始まります。バーやキャバレーが深夜営業をできなくなったことから、軽食(スナック)を出すバーですよ、と規制の目をかいくぐるために生み出した業態は、いまや日本の酒場を代表するジャンルの一つに。繁華街から下町まで、夜もふければさまざまな地域で、さまざまなお店が日夜元気に営業して酔客たちをもてなしています。

今回は梅田・十三・船場・心斎橋・難波など、比較的アクセスしやすいエリアに焦点を定め、6軒のお店を巡ってきました。

\今回のガイド/
  • タカ・タカアキ
    「エンターテインメントの卸問屋」こと13人編成のバンド「赤犬」のメインボーカリスト。大阪を中心にライブ活動を展開する一方、ライターとしても雑誌やウェブなど、さまざまなメディアで執筆を行っている。過去にカラオケ誌で編集・ライターを務めていたこともあり、演歌・歌謡曲への造詣が深いことでも知られている。趣味は猫と遊ぶことと銭湯巡り。

01.ありがっさま

奄美大島の銘酒と実家のようなくつろぎを

みなさまごきげんよう。「エンターテインメントの卸問屋」こと赤犬で歌など歌っているタカ・タカアキと申します。

インターネットやスマートフォンの普及により、近年は何をするにも便利な世の中になっておりますね。かくいう私も、そういったものの恩恵に預かって日々暮らしていますが、画面越しでどんな用事も済んでしまうと、直接人と会っておしゃべりやお酒を楽しみたくなるのが人情。そんなとき私は街へ繰り出し、スナックを求めて歩を進めるのです……。

というわけで1軒目に訪れたのは、梅田エリアの南東、お初天神に位置する「ありがっさま」。2024年でオープン20年を迎えるこちらは、奄美大島出身の内田サユミママの温かなもてなしを受けることができ、実家に帰ってきたかのような居心地のよい空間が広がっています。

大阪駅前ビルなど周辺にオフィスビルが多いことからビジネスマンのお客が多いそう

もともと夜の世界とは縁がなかったサユミママでしたが、友人が経営していたお店を引き継ぐこととなり、50代になってから初めてスナックのママ兼オーナーに。

お店にはビジネスマンを中心に夜な夜なたくさんのお客が訪れますが、サユミママは「私はみなさんの遊び場を提供しているだけなので、好きに楽しんでもらえたら」と、いたって謙虚。毎日のように仕込んでいるお惣菜には、お客に喜んでもらいたいという真心があふれています。

こちらでぜひ飲んでおきたいのが、大阪ではなかなかお目にかかれない奄美大島の黒糖焼酎「紅さんご」。甘くまろやかな口あたりでついつい何杯もいってしまいそうな飲みやすさですが、アルコール度数40度と高めなので、飲み過ぎにはくれぐれもご注意を。

シャイで初対面の人と話すのは苦手というサユミママですが、やさしく包み込むようなチャーミングなお人柄には癒されることうけあい。基本は紹介制ですが、この記事を読んでくれたことを伝えれば来店OKとのこと。梅田で遊ぶ際は、ぜひ「ありがっさま」で奄美の風を感じてください。

奄美大島から大阪に出て半世紀というサユミママ。穏やかな語り口に癒されます
サユミママの地元・奄美大島から取り寄せている黒糖焼酎「紅さんご」。「こんなことでもして地元に貢献しないとね〜」というサユミママの言葉に地元愛が感じられます
ママが腕によりをかけて仕込んだお惣菜でお酒が進みます。メニューは日によって変化します
店内にはギターや奄美大島・沖縄の三線が置かれており、手にとって演奏することもできます
お客さんにプレゼントしてくれる奄美の黒糖を使ったサユミママお手製のサーターアンダギー。タカもお土産にいただきました
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「ありがっさまりょ〜た〜」(奄美の方言で「ありがとう」の意味)。サユミママにお見送りいただき、梅田をあとにします。
取材時には自家製の梅酢で漬け込んだもずくや小豆島のしょうゆ豆などのお惣菜を出していただきました。どれも最高においしくて、お酒がめちゃ進みました!
ありがっさま
大阪市北区曽根崎2-5-22 日宝パティオ曽根崎3F
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営業時間:18:00~24:00
定休日:日曜・祝日
電話番号:06-6361-8878
料金:5000円 飲み放題+歌い放題、ボトルキープ4000円

02.ピコピコノルド

十三のレジェンドが伴奏してくれる、音楽愛に満ち溢れた老舗店

阪急電車に乗り込み十三で下車した私。お目当ての店を探しているうちに、ネオンがきらめく歓楽街へと足取りが進んでいきます。

目的地である2軒目のお店「ピコピコ ノルド」に到着。現在も出演させていただいている堺市のライブハウス「ファンダンゴ」がまだ十三にあった頃、幾度となく前を通っていたのですが、スナックだったことに気が付かず、今さらながら驚きました。

広々とした店内。開店から2度の改装を経て、現在はスピーカー5台を設置するなど音響へのこだわりも抜群です

オーナーの武田道雄さんは、なんと御年83歳! 中学時代にはお兄さんの影響で音楽に目覚めて独学で数々の楽器を演奏するスキルを習得。1960年代前後にはハワイでバンドマンとして働いていたという経歴を持っています。30歳で「ピコピコノルド」をオープンされ、街の移り変わりを見続けている十三の生き字引のようなお方なのです。

そんな武田さんのこだわりで、お店ではカラオケ+生演奏を楽しめるのがポイント。店内にはアップライトピアノやドラム、ウクレレなどの楽器が常備されており、お客の歌に合わせて武田さんが伴奏を付けてくれるのです。せっかくなので私も1曲、大好きな秋庭豊とアローナイツの『あなたを口説きたい』を歌わせていただくことに。

どんな曲を入れてもすぐさま生演奏で音を合わせてくれる

武田さんのドラミングが力強いグルーブを生み出し、歌唱中はライブステージにも通じる高揚感が得られます。これが本当に気持ちよくて、お酒がまあ進むこと。

武田さんの歌声も聞いてみたいな〜とリクエストしたところ、ハワイアン時代の楽曲を歌ってくださり、その若々しい歌声に取材陣一同、驚愕。ピアノ演奏も披露され、83歳とは思えないエネルギッシュなお姿に、すっかりエネルギーをいただいてしまいました。

基本料金は4400円飲み放題&カラオケ1曲200円ですが、予算に応じて相談も可能。チャームの他にお惣菜や味噌汁が出ることも
街の顔役として長年、十三を見守ってきた武田さん。最近まで町内会長も務めていました
約60年前、若かりし頃の武田さん。ハンサム!
タカの歌に合わせてドラムを演奏。リズミカルなプレイに歌声も弾みます
「83歳だけど、ここで歌うと38歳になるねんな〜」という武田さん。ウクレレの腕前もお見事です!
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「ありがと〜、また遊びにきてね」と武田さんのお見送り。絶対また来ます!
ちょっと不思議な店名は、武田さんの会社員時代の上司・北野さんにちなんで最初は「ノルド(北欧語で「北」の意味)」だったのが、アルバイトスタッフの「ピッコロとか、かわいい響きを加えたい」という提案で「ピコピコ」を加えたそうです!
ピコピコ ノルド
大阪市淀川区十三本町1-14-20
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営業時間:19:00〜24:00
定休日:日
電話番号:06-6309-3364
料金:4400円 飲み放題、カラオケ1曲200円(予算・プランによって応相談)、ボトルキープ3000円〜

03.よすか

船場の夜に浮かび上がる秘密の隠れ家

キタからミナミ方面へと移動し、続いてのお店がある南船場へとやってきた私。通りの隙間で光る「船場路地裏」のネオンに誘われ、細い路地を奥へと進みます。薄明かりの中、建物の入口に向かって歩いていくと、徐々に外界から切り離され、異世界に足を踏み入れるようなワクワク感に満たされていきます。

赤い絨毯を敷き詰めた階段の先にあるスナック「よすか」は、カウンターの他に広々としたボックス席も備えており、まさに大人の隠れ家と呼ぶにふさわしい空間が広がっています。

こちらは、京都祇園にある人気スナックのママ・髙橋愛さんが2年前に南船場でオープンした、会員制のスナック。

一見すると高級店のようですが、価格設定はチャージ1000円、ドリンク1杯700円〜と、いたってカジュアル。私も乾いた喉を潤すべくキンミヤのバイスサワーをいただき、おいしさのあまりついついおかわりしてしまいました。

階段と同じく真っ赤に統一された店内には、和紙職人のハタノワタルさんが製作した和紙を張り巡らせたカウンター、ボックス席には大阪の浮世絵専門店「西天満竹井」のコレクションが並び、愛ママの美学が感じられます。

客層は熟練スナッカーからアパレル関係、クリエイター、美容師など、職種も年齢層も幅広いのが特徴。異業種交流など人との出会いを楽しみたいスナックビギナーにとっては、うってつけのお店といえるでしょう。会員制のため、来店の際は信頼のあるお客からの紹介が必要となります。

この日の愛ママは週に一度のお着物デー。日本髪のヘアセットも相まって凛とした佇まいが印象的でした
スタイリッシュな空間ゆえか、愛ママの作るバイスサワーですら高級感を漂わせています
映画のワンシーンのようにおしゃれなボックス席
水商売にちなんで置かれている水売りの浮世絵
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愛ママ笑顔のお見送り。夢のようなひとときを堪能し、現実世界へと帰ります…
愛ママのInstagramでは、お店の情報だけでなくめちゃくちゃおしゃれな和装・洋装のコーディネートも見ることができます。「よすか」のInstagram経由で、ぜひチェックしてみてください。
よすか
大阪市中央区南船場4-10-22 船場裏路地2階
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営業時間:20:00〜深夜
定休日:不定休
電話番号:非公開
料金:チャージ1000円、ドリンク700円〜、ボトルキープ3000円〜、カラオケ歌い放題
公式SNS

個性派が勢ぞろい! ミナミで行きたいニューウェーブスナック

04.stand ピピピッ!

ゴキゲンな乾杯が連鎖する、ニュータイプ立ち飲みカラオケ

スナックと聞くと、値段が分からない…と、不安を抱えてしまう方も少なくないはず。そんな方に入門編としておすすめしたいのが、まっピンクな内観がラブリーな立ち飲みカラオケ「stand ピピピッ!」。カラオケ歌い放題、チャージ500円、お酒は一杯500円均一、さらにはおやつも食べ放題という良心的な価格設定で、ビギナーにとってはこの上ないスナックデビューの舞台となっています。店主・かほちゃんのゴキゲンな接客も、緊張するあなたの心を優しく溶かしてくれるはず。

一見さんも大歓迎で、お客さんともすぐに打ち解けられるアットホームな雰囲気が魅力。気軽に歌って飲みたい!という方は、ぜひ訪れてみてください。

来店するとガラガラのサービス。大当たりが出るとお会計が無料に!
5000円で11杯分もらえる、コーヒーチケットならぬアルコールチケット
ピンクのネオンで白いマイクもセクシーな雰囲気に
お菓子はなくなったら追加してくれる、大盤振る舞いスタイル
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ピンクなネオンが一見怪しさを演出していますが、本当に毎夜お客さんで大賑わい。しかも、すべての金額が500円という驚きの明朗会計。初心者の方、必訪ですぞ!
stand ピピピッ!
大阪市中央区千日前1-6-8 的場ビル3F
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営業時間:20:00~27:00
定休日:不定休
電話番号:無し
料金:チャージ500円、お酒ALL500円

05.スナック パーこ

歌う酔いどれママのナイスグルーブを味わえ!

続いて紹介するのが、さまざまな歌の舞台となっている宗右衛門町に居を構える「スナックパーこ」。こちらのお店は、昨年まで坂町エリアで営業していた人気店で、ママの独立を機に移転。若者からサラリーマンまで、街遊びの達人が集うスナックとなっています。しゃがれた声で「いらっしゃーい!」と出迎えてくれるママのパーこさんの人柄もあり、一見さんでもすんなり馴染むことができます。

ちなみに、パーこさんが本物そっくりな声で浜崎あゆみや倖田來未を歌い上げてくれる日もあり、聴けた人はラッキー。お値段もリーズナブルなので、カラオケバーとしての使い方で訪れるのもアリなお店です。

パーこさんの十八番は浜崎あゆみと倖田來未。ゴキゲンな日は熱唱が響き渡ります
フードはチャームしかないため、持ち込みもOK
本棚には、漫画好きなパーこさんのコレクションがズラリ。友達レベルで仲良くなったら特別に貸してくれることも
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酔っ払ってノリで作ったという、愛らしいロゴが目印
北新地ほどではないにせよ、ビギナーにとってハードルが高い宗右衛門町で、この良心的な価格設定はうれしい限り。店主の友達ライクな接客も相まって友達の家感覚でくつろげてしまいます。
スナックパーこ
大阪市中央区宗右衛門町2-31 4F
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営業時間:23:00〜心折れるまで
定休日:不定休
電話番号:無し
料金:チャージ1000円、お酒700円〜、ボトルキープは要相談

06.Curry GAGA

日本初の試み? アメ村に潜む、会員制カレースナック

最後に紹介するのが、アメリカ村の会員制カレースナック「Curry GAGA」。会員制カレースナックとは? と、首を傾げる方も少なくないと思われますが、ここは文字通り、カレーが食べられる会員制スナックなのです。とはいうものの、カレー以外のフードも居酒屋レベルで充実しており、なおかつどれもが絶品。マスター・ガガさんのキャラも相まって連日満席という盛況ぶりです。もちろん、スナックなのでカラオケも歌えます!ちなみにお店の住所は非公開かつ、完全会員制。友人の紹介、または、ガガさんと街で出会って仲良くなる。この条件を満たせたらお店へと足を踏み入れられるシステムとなっています。

こちらがマスターのガガさん。街で運良く出会えたら、会員にしてくれるかも
チキンを油でほろほろになるまで煮込んだ、パキスタンカレーは1000円
担々麺のような味わいのもやし炒めも人気メニューのひとつ
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胃袋も心も満たしてくれる、まさにスナックの鏡のようなお店。深夜になるとジャンクな食べ物を食べてしまいがちですが、フードメニューに野菜や果物を豊富に取りそろえているのもうれしいポイントです!
Curry GAGA

住所:非公開
営業時間:20:00〜27:00(金・土曜日は19:00〜)
定休日:月
電話番号:無し

話したい、飲みたい、歌いたい…人恋しくなったら迷わずスナックへ!

大阪で行ってみたいスナック6軒を紹介いたしました。最近、町中華や銭湯、純喫茶など、古き良きスタイルのお店に注目が集まっており、やはり対面のコミュニケーションは、いつの時代も必要であることを実感します。システマチックな世の中で、ふっと一息つける場所であるスナックもまた、なくてはならない場所。

これからも多くのお店が、おいしいお酒、そしてカラオケや楽しい接客とともに人々を癒していくことでしょう。特に、笑いと人情の街・大阪では、たっぷりと濃い〜やり取りが楽しめること間違いなし。個性豊かなママやマスターが、みなさんのお越しをお待ちしています!

この記事に関わった人
Text
伊東孝晃
Photo
納谷ロマン
Edit
納谷ロマン(人間編集部)

※掲載情報は2024年3月時点のものです。掲載店舗・施設に関する最新の営業時間は各店舗・施設のHPなどでご確認ください。

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