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しっとんか大阪

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1 – 南蛮貿易のはじまり

2024.02.13

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INTRODUCTION

堺はかつて「黄金の日日」と謳われたこともあるほど、巨大な勢力を持つ港町だった。しかし、その痕跡はどこにあるのか?南海堺駅に降り立ったときは、その気配を感じ取れないかもしれない。それもそのはず、駅の辺りはかつて海で、埋め立てられ出来た土地なのだ。当時の海岸線、そして港はもっと内陸にあった。

この旅では港町・堺の黄金時代の物語を探しに行こう。堺を舞台に活躍したユニークな偉人たち、知的遊戯を愉しんだ茶の湯、そして輝かしい繁栄の裏に隠された、光が当たらない物語も見えてくるかもしれない。

01|南海堺駅の東出口

1400年代後半から1600年代初頭、日本有数の貿易港として栄えた港町・堺。その繁栄ぶりは「黄金の日日」と謳われるほどだった。中国の船が堺港に着岸したことから国際貿易が盛んになり、次第にポルトガル・スペインとの南蛮貿易が始まった。火山の多い日本は、金属資源が豊富。南蛮船は海を渡り、黄金の国・ジパングへ金銀を求めてやってきたのだ。

貿易によって莫大な富を得た堺の商人は、外部からの支配を受けないよう、海に面する西側以外の三方に濠をめぐらせて自治都市をつくった。自由に貿易を行うことで発展し、海外と日本の文化が混ざり合う堺独自のミクスチャー文化を形成していった。

南海堺駅東口の改札を見上げると、南蛮貿易について描かれた絵が掲げられている。その中に、器のようなものが描かれているのが見えるだろうか。それは一体、どんな器だったのだろう。東口改札のすぐ近くに南海堺駅ビルがあり、1階に観光案内所がある。その前のガラスケースの中にヒントが隠されているので覗いてみよう。

02|ルソンの壺

丸く大きな茶色い壺。あなたにはどんな風に見えるだろうか。

この壺は「呂宋助左衛門」という堺の商人によって、フィリピンのルソン島からやってきた。港の物資を保管する倉庫を管理していた呂宋は、商才を活かして貿易商を営んだ。そして持ち帰った壺を天下人・豊臣秀吉に見せたところ、「なんと珍しいものを!」と大喜び。名だたる大名もこぞって壺を買い取った。

当時、茶道を嗜むことは武士のステータスだった。功績をあげた褒美として茶器が与えられ、その価値はぐんぐん上がっていった。貿易商として名を馳せた呂宋だったが、過度な贅沢を秀吉に咎められ、東南アジアに逃亡して亡くなったという。

呂宋助左衛門だけではない。黄金の日日の時代を彩った堺の商人の中には、かの千利休がいる。呂宋と同じく物流を司る商家の出であり、後に全国に名を知られる茶人となった。

※このガイドは、取材や資料に基づいて作っていますが、ぼくたち ON THE TRIP の解釈も含まれています。専門家により諸説が異なる場合がありますが、真実は自らの旅で発見してください。

※掲載情報は2024年2月時点のものです。掲載店舗・施設に関する最新の営業時間は各店舗・施設のHPなどでご確認ください。

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