焼肉とホルモン
外国人観光客にも、大阪の新たな定番グルメとして認知され始めている焼肉。焼肉も大阪の十八番です。
肉と言えば大阪では牛肉。牛の精肉やホルモンと呼ばれる内臓を直火で焼きながら、タレをつけて食べます。このスタイルができたのは、昭和に入ってから。昭和20年代、大阪千日前に『食道園』が創業。東京の『明月館』とともに、焼肉の元祖として知られています。
ルーツは韓国にありますが、それは店側が肉を焼く形でした。さまざまな肉の部位を、客が焼きながら、タレに付けて食べる“つけダレ”のスタイルは日本でできました。さらに、無煙ロースターが誕生して、焼肉は家族でも楽しめるご馳走になりました。全国的に見ても、焼肉店の絶対数が多いと言われる大阪では、府内一円に焼肉店が林立しています。ミナミやキタにも高級店から大衆的な食べ放題店までさまざまに揃っています。
さらに鶴橋は、駅に降り立つや焼肉の匂いに包まれるほどの焼肉天国です。関西随一のコリアンタウン・鶴橋には、キムチや韓国食材を扱うお店とともに、焼肉店が数多く軒を並べています。このほか、ホルモンに特化した、ちりとり鍋やモツ鍋もあります。四角い浅い鍋がチリトリに似ているので、ちりとり鍋と呼ばれます。モツ鍋は、鶏ガラスープやカツオだしなどのスープを使います。具はよく似ていて、タンやテッチャン、ミノなど牛のホルモンと、玉ネギやモヤシ、ニラなどの野菜もたっぷり使います。安価で、栄養満点の大阪の自慢の味です。